朝から大人気の彼――白石くんは、今日で15歳になったそうだ。私の言葉に明確さがないのは、直接聞いたわけではなく、いま隣の席で白石くんの席の上にプレゼントが山積みされているから。(今にも崩れそう)



「おはよう」
「はよー」



ガラガラと音を立て、白石くん、忍足くんの順番に教室に入ってきた。クラスの女の子は、白石くんの苦手な逆ナンにならい、肉食女子は苦手と判断してプレゼントの山が出来上がったらしく、ちらちらと白石くんを見ている。当の本人は気にする様子もなく紙袋にしまい、横にかけ、何ごともなかったかのように席についた。



…て、手慣れてる!

さすがだ〜…と一連の動作を見ていると、白石くんはこちらにくるりと振り返り、いつもクラスメイトたちに向ける完璧な笑顔とは違う、ふにゃりとした笑顔で私を見た。



「おはよう」

「え、あ、…おはよう白石くん。」

「おん、」

「(か、可愛い)」





クラス替えをして始めて白石くんと同じクラスになったけど、彼は以外と可愛いひとだと知った。授業中に内職で部活のメニューを立ててるのが私に気づかれたときは恥ずかしそうにはにかんでいたし、ふたりの日直のときも黒板消しをパタパタと窓からはたいていたとき、下に落としてしまっていたり。彼は普通の男の子のひとりで、親近感がわいたなんて、バイブルに誇りを持っているらしいから言えないけど。


正直私はどちらの白石くんも魅力的であることには変わらないと思う。



「あ、あんな、」

「ん?なに?」

「……」

「?」

「………やっぱなんでもあらへん」

「…?」



はああ、とため息をつく白石くんの横で、私は首を傾げる。いったいどうしたんだろう。う〜ん?すると、きりーつ、と授業開始の礼が始まった。あ、まだ言ってない!

ガタガタと音を立てて周りと共に立ち上がり、白石くん、と声をかけた。




「誕生日おめでとう!」

「!……あ、おおきに」



また、頬を赤く染めて白石くんは突っ伏した。教室に入る太陽が、私たちを熱くさせるからだろう、と推測して、突っ伏す白石くんに笑みを零した。


――誕生日おめでとう、白石くん



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