一つだけ、でかでかと赤く円を描かれた点数は、私の頭の悪さを象徴していた。帰りのホームルームで返された小テストを見て、やっぱりかあと大きく溜息をつく。

いつもはぎりぎりでその称号を回避する。よりによって抜き打ちとは…やりおるな。感心感心、と頷いてぐっしゃぐっしゃに丸め、教室の前にあるごみ箱に捨てようと投げた時、いきなり前の席の跡部がその軌道上に現れ………わかりやすく言うと跡部の頭に当たった。


「ごめんごめん」と軽く謝ると、軽く睨んでから頭に当たった紙を拾い、広げはじめた。


ぎゃあああああああああと心の中で叫んでると、跡部くんは思いっきりびっくりしました、と顔が言うほど目をかっ開き、私と答案用紙を見比べた。



「なんだこれ」
「0点」
「見りゃ分かるが…お前真面目っぽいのに馬鹿なんだな」
「うんそうだよ」
「ぶふっ!!!!」


もう開き直って肯定すると、跡部は顔を真っ赤にさせて吹き出した。はーはっはっは、といつものうな高笑いではなく、普通の男の子の笑い方だ。…こんな笑い方するんだ。なんだか私のほうがびっくりしてしまって、凝視してしまった。その視線に気づいたのか、「ああ、悪い。」と返してきた。


「悪いって。そう睨むなよ。」
「(にらんでねーよ)」
「まあそういうのも良いんじゃねーの」
「そういうの?」
「ギャップ?」
「ああ…うん…そうだね」
「だろ?」


フン、と彼は鼻を鳴らした。なんだか話のテンポは合わないわよくわかんないわで話してると疲れるな……なんだっけ。こういう人をなんていうんだっけ……………ああ。


「跡部ってさ」
「なんだ?」
「面倒臭いよね」
「ぶふっ!!!!」


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