朝は6時に起きて、身支度もそこそこに朝飯を食べて家を出る。自転車に跨がり、寒い寒いと唱えながら漕いでいると、ひとつの大きな病院が見える。そのひとつの窓から、こちらに向かってひらひらと手を振る、幼なじみの葵が見えた。



ああ、今日もまだ君は笑ってくれている。


そのことが毎日嬉しくて、小さく笑いながら手をふりかえす。ジェスチャーでガッツポーズをして、口をぱくぱくさせながら「頑張ってね」と言われ、それにひとつ頷いて、俺はまた自転車を漕ぎ出した。



葵は今日も生きている。



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -