馬鹿みたいに頬が緩んだ顔で名前を呼ぶと、小さな笑みで返してくれるところも、隣で歩いたときに転ぶから、と繋いだ手も、器用なくせに努力だけじゃなくて不安全てを隠してしまう不器用なところも、全部が愛おしくて、全部好きだよ。


私に合わせられる歩幅に甘えて、少しだけ速度を落とすと、ほんまにしゃあない奴やなあ、と優しい声色で呟くように言われた。意思疎通というか―…とにかくなんだか恥ずかしくて、繋いだ手に力を込めて、うるさいなあ、なんて顔を背けた。くつくつと聞こえる小さな笑い声。


ああ、やっぱり好きだな。なんて些細な行動にさえ思い知らされる。友達じゃない。下心を持っている。そういう感情で、油断したら一瞬にして溢れてしまいそう。





(私のことを、ただあなたに好きになってほしいんです。)



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