■ 糖死してしまうから離して

「まってや景ちゃん、一体これどういう状況?」

 部室の隅に設置されたソファ―の上。忍足の太股に膝立ちで跨った跡部は勝ち誇ったように鼻を鳴らしてみせた。

「たった今おまえはセーラー服を着た俺様に襲われているんだよ」
「いやそうやけど。……どっからつっこんだらええんかわからへんわ」

 ぱちぱちと目を瞬かせる忍足はスカートからのびた跡部の足に釘付けで、触りたいのか指先を小刻みに震わせている。
 流石自称足フェチ。自称するだけあって本能が疼くのだろう。

「触りたいか?」
「はいそうですすっごくさわりたいですっていうかもうがまんできへんからさわります」

 そう言うなり忍足は跡部のスカートに手をつっこんで足の付け根からつつ…といつも通りのいやらしい手つきで撫で回した。その間にも忍足は跡部の表情をうかがうが、跡部はどこ吹く風といった風に平然と体勢を崩さない。

「最近すっかり耐性ついてもうて景ちゃんの嫌がる声聞かれへんからつまらんわぁ……」

 以前は太股をひと撫でしただけで声だしとったのに、と不満げに忍足は頬を膨らませた。

「おまえが撫でようがどうしようが俺様は平気なんだよ!」

 どうだざまぁみろ!と忍足を見下ろす跡部の足から手を離し、忍足はおもむろに腰に手をのばした。
 シャツを捲ってそのままじかに触れればびくん、と腰がはねる。

「耐性できたんは足だけ、っちゅ―わけやな」

 忍足はにやにやと笑いながら跡部に抱きつくとそのまま体勢を逆転させた。

「うわっなにしやがんだ忍足てめぇっ」
「生意気な景ちゃんには俺がじきじきにお仕置きや」
「えーぶいみたいなセリフ言ってんじゃねぇよ馬鹿!」
「なぁに景ちゃん、そんなやらしいもん見てんの」
「おまえが無理矢理かしてきたんだろうが…っ!!」
「律儀に見る景ちゃんも景ちゃんやで―」

 そういえばあのAV、セーラー服コスしとったな、と忍足が言った瞬間に跡部の顔が強張ってなんとか忍足から逃れようと今さらながら足掻き始めた。

「はなせ変態っ」
「わざわざセーラー服まで着てきたんやから覚悟はできてるやろ?」


 そこから先の展開は、おぞましくて言えない。





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少年痴態のぺこ様からネタを強奪してきました。すいませんぺこ様ありがとうございました!


御題は幸福様より



2012/5/27


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