■ 勝てっこない
※柳と仁王女体化
仁王は胸が小さいのがコンプレックスだ。
それはどうしようもないことではあるけれど、やはり身近に胸の大きい部類の人間がいるとどうしても気になってしまう。
制服の上からぺったんこの胸を押さえて、仁王は思わず溜め息を吐く。
「どうした仁王、溜め息なんてついて」
目の前で揺れる豊かなそれ。仁王は緩く眉を顰め、不満げに柳の胸を両手でつかんだ。
「なんで参謀のはこんなにおっきいんじゃ」
「何で、と言われても身長と比例してこちらも大きくなってしまったんだ。仕様がないだろう」
「ええなぁ―」
「あればいいというものでもないぞ?」
「ないよりはある方がいいき」
柳はふてくされる仁王を見つめ、妙案を思い付いたのか伏し目がちの目を僅かに開いた。
「そういえば、胸は他人に揉んでもらうと大きくなるとよく耳にするな」
「あんなん一時的なもんじゃき、まったくの嘘っぱちじゃ」
「毎日やれば少しは大きくなるだろう」
柳はそのまま仁王を押し倒して、片手でワイシャツのボタンを器用に外すとブラごしに仁王の小ぶりな胸を揉んだ。
「ゃ…っやめんしゃい!」
「胸を大きくしたいんだろう?」
「そ、そんなんただのセクハラじゃっ」
ばたばたと手足をばたつかせる仁王の乳首をきゅ、と摘めばびくんと体がしなる。
「イヤじゃって!さわんな…ッ」
「仁王の胸は柔らかくて好きだよ」
「ぁ…ん、変態……ッ!!」
「その変態にセクハラされて喜んでいるのはどこの誰だ?」
「うるさ…ぃ…、」
掠れていく語尾。
荒い吐息に、柳の息が重なる。
「もっ…別におっきくせんでいいから、普通に触って…やなぎ…」
「……そんなに煽ってくれるな、雅治」
形のいい唇に口付けて、柳は笑みを深めた。
勝てっこない
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2012/5/29
御題は雲の空耳と独り言+α様より
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