■ グレイスケールに浸って

※幸村がピアスしてます


片耳にあけた小さな穴には、血の色みたいな真っ赤なピアス。

「大学生になったからといって、ピアスをあけるのはいかがなものか」
「大学生になったらあけるって決めてたし、折角のもらいものだからつけなきゃ勿体無いじゃん」
「……誰からの贈り物なんだ?」
「白石だよ。高校の卒業祝いにもらったの」

真田の空気がほんの少し不機嫌になった。なるとわかっていて、わざと言ったのだけれど。

「妬いた?」
「妬くにきまっているだろう」
「だよね、」

真田は嫉妬深いというわけではないけれど、しないというわけでもない。
でも幸村は俺のもの、という認識が根底にあるから誰かしらにとられるなんて発想は初めから存在していないようだ。

「もしもさ、俺が白石とかに浮気したらどうする?」
「おまえにそんなこと出来ないだろうから心配する必要もない」
「ほんと真田って俺に関しては底抜けに自信家だね―」

まぁ、あながち間違ってはないので今回も正解としておこう。

幸村の気持ちは真田でいっぱいで、他の誰かが入り込む余地なんて残されていないのだから。



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2012/5/18
御題は誰花様より

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