■ 素直じゃない君にキスを
「なぁ景ちゃん、」
「んだよ」
おもむろに背後に回られて後ろからぎゅう、と抱き込まれる。照れ隠しに腕に爪を立ててやるが忍足は平然と耳元に唇を寄せてくる。
「最近部活やら生徒会で全然相手してくれんやんか。だからちょっと補給しとかんと」
「意味わかんねーよ」
景ちゃんはおとなしゅう俺に抱かれといたらええねんて、と忍足は腕に力をこめた。
「俺だって好きで忙しいわけじゃねーよ」
「そういう素直な景ちゃんもかわええで」
赤くなった顔を見せたくないのか跡部は忍足の腕に顔をうずめてそのまま動かなくなってしまう。
「景ちゃん今日の放課後ヒマ?」
「部活後は特に用はねぇ」
「確か景ちゃん来週までご両親出張やったやんな?」
「それがどうした」
「明日学校休みやし、泊まりにいってもええ?」
久しぶりにシようや、と耳元に囁きかければさらに顔を赤くして小さく一言、すきにしろ、とだけ言って跡部は腕の中からするりと抜け出ていってしまった。
end.
御題:自作
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