■ 君の隣は僕のもの

 真田の背中は広い。

 ぴと、と真田の背に頬をつければ真田が怪訝そうな声音でどうした?と問うてくる。しかし幸村はそれを無視して回した腕にさらに力をこめた。
 廊下のど真ん中で突然抱き締められた真田の動揺は思いの外大きかったらしく、先程よりさらに上擦った声で幸村?と再度声をかけてきた。
「真田、さっき女の子に告白されてたでしょ」
 真田の眉が僅かに上がる。幸村は真田の顔が見えていないはずなのに、ほら図星だ、と不満げな声を漏らした。
「それは…不可抗力ではないか、」
「どうせまた変に優しくして、勘違いさせちゃったんでしょ」
「幸村、そういう言い方は……」
「真田の隣は俺がいればいいんだから」

 幸村の妬きもち癖は以前にも増して酷くなっているような気がする。
 それは嬉しくもあり同時に複雑でもあるのが正直な気持ちではあるのだが、そんなことを本人に言えるはずもない。

「真田を好きなのは俺だけでいいんだ」

 狂気じみた執着が幸村に纏わりついて、離れない。
 それに気付きつつも何もできない真田はただただ幸村を抱き締めるしか術がないのだ。


end.
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ヤンデレ幸村がマイブームです。




2012/3/4
御題は邂逅と輪廻様より


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