■ 恋に気づいて火傷する
※仁←ブン前提赤ブン
「ねぇ丸井せんぱい」
「ん―…?」
「丸井せんぱいは仁王せんぱいのこと好きなんすか?」
「……そ―だけど」
「でも仁王せんぱいは柳生せんぱいと付き合ってる」
「……知ってる」
「あきらめないんすか?」
「……あきらめきれねぇんだよ」
「ねぇ丸井せんぱい」
「……なに?」
「俺、丸井せんぱいのこと好きなんです」
「………」
「仁王せんぱいじゃなくてさ、俺のこと好きになってよ」
「………」
「丸井せんぱい?」
揺れる瞳。今ブン太は、赤也の言葉に揺らいでいる。
「俺がせんぱいのこといっぱい愛してあげるよ」
「うるさい」
「ねぇ、俺のもんになって」
「……ッ!」
無理矢理口付けた。嫌がる丸井先輩を壁に押し付けて、噛みつくようにキスをした。
甘い味がして、丸井先輩の力が抜けていくのに合わせて丸井先輩が赤也のものになっていくような、そんな気がした。
「ねぇ丸井せんぱい」
仁王せんぱいは柳生せんぱいしか見ていないけど、俺ならずっと丸井せんぱいのこと愛して、好きでいてあげられる。
それでも丸井せんぱいは仁王せんぱいがいいの?俺じゃダメ?仁王せんぱいのかわりにはなれない?
「あかや」
「なんですか」
「もういっかい、キスしろぃ」
「……百回でも一万回でも、何回でもいいっすよ」
仁王せんぱいのことなんて忘れて、俺に夢中になればいい。
end.
2013/2/13
御題:カカリア
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