■ あなたのほしいものは?

 きらきらした目が白石をとらえた。
「白石サンはもうサンタさんになにお願いするかきめました?」
「ん―…まだやけど……っていうか俺はもうサンタさんこんかもしれんしなぁ…」
「えっなんでですか!?」
 赤也はあまりの驚きに手にしていた鞄を落としかける。
「白石さんはもうサンタこないんですか…?」
 まるで自分のことであるかのように赤也は悲しそうに顔を歪ませる。
「白石さんはぜったい俺よりいいコトいっぱいしてるのになんでサンタさんはこないんですか!」
「俺んとこにはもうこんでええですってサンタさんにいうてんよ」
 今にも泣き出しそうな赤也の頭をなでながら白石は続ける。
「俺はもう欲しいもんもっとるからな」
「ほしいもの……?」
「そや。だからもうサンタさんにはきてもらわんでもええんや」
「……白石さんがほしかったものってなんなんすか?」
 にやりと笑みを浮かべて、白石は赤也の耳に唇をよせてゆっくりと囁く。

「赤也クン」

「へ?」
「だから、赤也クンや」
「………ッ!」
 みるみるうちに赤也の顔が赤くなっていく。
「赤也クンはなにお願いするつもりなん?」
「ほんとはWiiたのむつもりでしたけど…俺も白石さんってたのもっかな…」
「べつにわざわざ頼まんでももう俺は赤也クンのもんやで?」
「ほっほんとですか!?」
「うん、だから赤也クンはすきなもん頼み」

 白石に抱き付いて額をこすりつけてくる赤也に白石はにやけを隠すのに必死になるのだった。



end.
2012/12/25(12/23)
御題は自作



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