■ おねがい、その甘い声で命令を

 事に至った経緯なんて今さらどうでもよかった。
 途切れ途切れに漏れる喘ぎを噛みしめる度に、真田が幸村の唇に指先で触れる。

「声、抑えるな」

 血の滲んだ唇に真田のそれが重なる。

 真田のキスは優しくて、甘くて。それは脳髄まで犯されてしまいそうなほどに甘くて。

「ん…ッ、む、り…っ…」

 ベッドに沈んだ幸村の体に覆い被さる真田の顔は柄にもなく赤く染まっていた。

「本当に……いいのか?」
「この状況でそんなこというの?」

 僅かに潤んだ幸村の双瞼に真田がそっとキスを落とす。

「後悔しても知らんからな」
「誘ったのは俺なんだから、後悔なんてしない」

 視線が合わさったのを合図に、真田の手がシャツのボタンをひとつずつ、丁寧に外していく。

「……っ、」

その動作ひとつにまで幸村の瞳は揺れる。

「ね、真田」
「何だ」
「……優しく、して。目一杯」
「言われんでもそうするつもりだ」


 どろどろに甘やかされて、ゆっくりと犯されていく身体を、心を。

 染み渡るまで、支配して。



おねがい、その甘い声で命令を

(俺の中を君で溶かしてほしいんだ)


end.
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微エロを目指した結果がこれですo..rz


2012/1/31
御題はAコース様より

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