■ つないでゆらいで嗚呼
本当に、不二は綺麗な肌をしていると思う。
まるで女の子みたいに白くて、マシュマロみたいにやわらかくって、何度見ても、何度触ってもあきない。
「ちょっと、あんまり引っ付いたら着替えられないよ」
「不二の生着替えなんて滅多に拝めないんだから、あともう少しだけ」
「相変わらずさらっと変態的欲望を垣間見せるよね、幸村くんって」
背中からまわされた幸村の腕は何度も不二の脇腹を行ったり来たりして、焦らすようなその指先のくすぐったさに不二は体を捩る。
「もう、くすぐったいよ」
「ふふ…そう言っていられるのも今のうちだよ」
「?、それってどういう……」
じきにわかるよ、と言って幸村はあっさりと絡めていた腕を離し、不二を解放する。
「なんか気になるなぁ…」
「そんなに気になる?」
「そんな風に意味深な態度を見せられたら、なおさら」
「じゃあ今度の日曜日にでもまた会おうか、二人で」
不二とて恋人の誘いを断る理由なんてあるわけがない。それが幸村の罠だとも知らずに、不二は頷いた。
(これでやっと不二を俺好みの体に開発できるときが……)
「俺以外ではたたないようにしてあげるから」
「ん?何か言ったかい?」
「ううん、なんでもないよ」
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2012/9/4
御題は魔女のおはなし様より
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