■ 砂糖にひたった記憶

「ブンちゃんってさ」
「うん?」
「自分から脱ぐのと脱がされるの、どっちが好きなん?」
「ん―…どちらかというと脱がされる方が好きかも」

 へぇ、と意外そうな声をあげる仁王。

「だって自分から脱ぐのってめんどくさいじゃん」
「なんかそれってブンちゃんらしいのぅ…」
「なんならさっそく脱がしてみる?」
「別に俺はかまわんけど」

 仁王の膝に跨っていたブン太がわずかに腰を浮かせると仁王の腕がブン太の首もとにのびた。中途半端にさがったリボンを外して、次いでワイシャツのボタンをひとつひとつはずしていく。

「仁王ってこういうとこまめだよな」
「無理矢理やったらボタンとれるき、」

 そしてボタンをはずし終えた仁王は慣れた手つきでレースのあしらわれた下着の上から胸をやんわりともみあげる。

「なんかブンちゃんおっぱいおっきくなった?」
「え、まじ?」

 ブン太は仁王の手に自分の手を重ねて軽く揺すってみせる。

「自分で触ってもいまいちわかんねぇや」
「まあ、そんなもんじゃろ」


 ブン太の胸元を凝視しているとブン太が少し頬を染めていたから、仁王はわざと気付かないふりをしてホックをはずすために今度は背中に手をのばした。



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2012/7/25
御題は幸福様より


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