■ 濡れたその目で俺を見るな

 朝起きたら隣でブン太が寝ていた。
 うっすい寝間着を上下に着て、あろうことか胸が大きく開いたやつで。
 嫌な予感がし、布団をめくる。
予想を裏切らず、真っ白な下着一枚だけがブン太の体を覆っていた。

――これって一体どういう状況じゃ…?

 これはつまり襲って下さいということでいいんだろうか。
 ブン太のふくよかな胸が仁王の視覚を大いに刺激し、仁王は自身に熱がこもるのを直に感じた。

――やば、興奮してきた……

 仁王のそれは既に熱がこもり、仁王自身もブン太の体へ伸びる手を逆の腕で抑えるので必死だった。

 そんな仁王の葛藤を知ってか知らずか、隣でブン太がくぐもった声を漏らす。
 無意識にのびたブン太の腕が仁王のそれを掠め、仁王は思わず息を詰まらせる。

――……ちょっとだけ

 ちょっとだけならと、仁王は己を正当化させた上ですやすやと眠るブン太の太股に手を伸ばす。

「……っん、」

 色白の太股を撫で、ひとしきり独特の弾力を楽しむと駄目だ駄目だと理性が叫ぶが手は太股の付け根、そして下着の中へと伸びる。
「……ブンちゃ――」

 図ったように目覚ましのアラームがけたたましく鳴ったのはその時だった。

「………っ?!?」


「……ん、ぅ…?」

 ブン太の薄く開いた唇がこちらに向けられ、寝起き特有の色気?みたいなのがそこら中を漂って仁王の理性に再度揺さぶりをかけてくる。

「起き、て……ない」

 今一度確認のため、ブン太の顔に近寄る。
すーすーと規則正しい息遣いをする柔らかな唇に、仁王は知らず知らずのうちに引き寄せられるように己のそれと重ねた。
 甘い。一口に形容するならばその一言に限った。女子特有の甘さと柔らかさが癖になりそうで、仁王は思わず生唾を飲み込む。

 早く起きてくれ、と理性が叫んだ。

その間にも仁王の本能は素直にその甘美な感覚を愉しみ、さらに舌を滑り込ませる。

「んっ……ふ、……んん」

 苦しくないよう、間に幾度も呼吸をはさみながら、仁王はブン太の口内に侵入する。
 もう一度下着に指先を触れさせればそこは僅かに湿り気を帯びて、上から刺激を加えればとろりと蜜が溢れる。
 仁王はニヤリと口端に悪戯な笑みを浮かべ、徐々に刺激を強くしていく。

「ふぁ……んっ、んぁっ……!」
 体を少し反らし気味にしながら甘い声を上げるブン太に、仁王は自身の高揚を抑えきれずにいた。

――流石に、これ以上はちいと不味いかのぅ……

 びくんびくん、と小刻みに身体を震わせるブン太の胸にも刺激を与えつつ、仁王の意識の片隅でまともな思考が僅かに働く。

「…ゃ…っにぉ、にお、…ッ!」

 舌っ足らずに紡ぎ出される自分の名前。そのやけきった声にも興奮を煽られ、仁王は熟れきったブン太の乳首を指先で摘み、ゆっくりと押し潰した。

「ひぁあっっ! んっ、く……はぁ」

 指で弄るだけでは足らず、仁王は突起を甘く噛む。舌の上でコロコロと突起を動かしながら、空いている左の手でブン太の口内を侵す。

「は…ふぁ…ッ、ん、んっ」

 朝っぱらから一体何をしているんだろう、と。

「好きじゃ、……ブン太ッ」

 唇を何度も合わせて、離した一瞬の間に。

「おれも、すきっ…だから、もっと、ちょうだい…っ…?」

 どこまで煽れば気が済むのだろうか。

「それは…っ反則じゃ!」

 息をすべて奪い去るほどに、激しく甘いキス。
 ふわふわのマシュマロのような感触の胸に顔を埋めながら、思い切りブン太を抱き締める。
 乱れきった下着は既に機能をなしておらず、ほぼ全裸の状態で。
 焦点の合わない瞳が揺れて、じきに仁王を捉える。

「にお……」

「ブン太……――え?」

 仁王はそこで気づいた。

「おま、起きて……」

「仁王、続き……しよ?」



 そうして理性が終わりを告げた。





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友人の影文とリレー小説したらこうなりました。すいませんでした…!


2012/6/17
御題は自惚れてんじゃねぇよ様より

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