■ 何よりも単純に、

 嫉妬するなんて女みたいなことして嫌われるのが嫌で、少々ヤキモチを妬いてもよっぽどのことがない限り柳はけして口には出さない。

「先輩、今。ヤキモチやいたでしょう」

 赤也には珍しく急にそんな指摘をされたものだから思わず目を開いて赤也を凝視してしまった。
「俺だってわかりますよ。恋人なんですから!」
 自慢げに鼻をたかくする赤也はふふんと腰に手をあてて、挑むみたいに柳を見上げてきた。
「どうせまた幸村に何か吹き込まれたんだろう」
「そ、そんなことないっす!」
 狼狽える赤也の髪をくしゃりと撫でて、後で幸村にどう文句を言ってやろうかと思考を巡らていると赤也が腰にしがみついてきた。
「ちょっと柳先輩、今は俺以外のこと考えるの禁止っすよ!」
「わかってるよ」
「ぜったいわかってない!」
 不満そうに頬を膨らませる赤也に触れるだけのキスをして、赤也のことしか考えていないぞ?と言ったら顔を真っ赤にして知ってます!!と返されてしまった。





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2012/3/30
御題はHENCE様より

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