■ キスして、次は?

 そっと重ねられた唇。どうしても目を合わせるのが恥ずかしくて、幸村は思わず目を閉じてしまう。

「真田のキスは優しいね」

 唇を離しざまにそう零した幸村に真田はそうか?、と首を捻って見せた。

「俺は真田のキス、好きだよ」

 俯き加減にそう呟く幸村の真っ赤に染まる頬に両手を添えて、真田はうむ、と幸村の顔を覗き込んだ。

「みるな、ばか」

 顔を隠してしまう幸村の腕を制し、真田はもう一度目の前の薄い唇に口付けた。

「……その様な姿を他の輩に見せるんじゃないぞ」
「なんで」
「何で、と云われても…」

 幸村の可愛い姿を誰にも見せたくない、なんて口が裂けても言えない。
 真田は必死に言葉を探すが、それも徒労に終わる。

「云わなくてもわかるから、いい」

 唇に押し付けられた人差し指に真田は悩ましげに眉根を寄せた。



キスして、次は?

(真田に出来ないことは俺も望んだりはしないさ、今は)



end.
2012/9/30 加筆修正
御題は自惚れてんじゃねぇよ様より



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