■ 子供のような笑顔

※柳生が先生で仁王が生徒


「せーんせ、」
 絶妙な角度からこちらを覗き込んでくる仁王は悪戯な笑みを浮かべて柳生の瞳を射抜く。
「申し訳ないですが仁王くん、今私はあなたに構っていられるほど暇ではありません」
「そんなこと言わんでせんせ、」
 まるでこれじゃあ大型犬にじゃれつかれてるみたいだ、と柳生は思ったがそれは口に出さずに仁王をここから追い出す方法を模索し始める。
「あまり邪魔ばかりするようでしたら生徒指導室送りにしますよ」
「そんな意地悪せんとってせんせ」
 仁王は柳生がテストを採点する姿をまじまじと見つめながら同時に柳生の顔もつぶさに観察する。
「先生睫ながいのぅ……」
「………」
 柳生が採点を終えたのを見計らって、仁王は柳生の首筋に唇を寄せる。
「こら仁王くん!本当に怒りますよ!」
 制止する柳生の手を押さえつけた仁王は柳生の体に覆い被さる形でさらに詰め寄る。
「綺麗な肌じゃき、」
「…ゃ……めなさい…!」
「こういうのんも生徒指導するき?生徒に襲われました―って」
「…ッ…貴方って人は……!」
「どうとでもいいんしゃい」

 震える柳生の体を前に仁王は思わず舌なめずりをして、にい、と嗤う。


「美味そうじゃ、」




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そうして食べられちゃうんですね、ぺろっと。


2012/3/11
御題は邂逅と輪廻様より

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