■ 透明の嘘
ぷちん、ぷちんと。透明なビニールが音をたてて割れていく。
「なんだ、それ」
ぷちん、とまたひとつ。長い指先がビニールを弾いた。
「ぷちぷちだ。知らんのか?」
「あぁ。包装するやつか」
暇を持て余した故の新しい遊びなのだろう。幼い頃文次郎もした覚えがある。
「こうやって簡単に弾けていくのが、まるで私たちのようで」
酷く滑稽だろう?と、仙蔵は嗤う。
「そんなの、数百年も前の話じゃねぇか」
「今も昔も変わりはしないさ。いつの時代も戦は絶えない」
それもそうか、と文次郎もつられて笑った。
end.
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新年一発目から薄暗くてすいませ…っ
ぷちぷちの話がこんなシリアスになるなんて思いもしませんでした(笑)
御題はDiscolo様より
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