■ 鮮やかなお手並み


※長期忍務から文次郎が帰還したようです。


「文次郎!帰っていたのか!」

 向こうから廊下を小走りに仙蔵が駆け寄ってくる。
 文次郎はおぅ、と手をあげながら気だるげに生返事を返した。

「会いたかった……」

 後ろからぎゅう、と抱き締められて文次郎は僅かに赤面する。

「ばっ…誰かきたら……!」

 背後から回る仙蔵の腕。ふと指先に視線を移すとそこにはきらりと鈍く光を放つ苦無が握られていた。

「私がそう易々と騙されるわけがなかろう、……鉢屋」

「流石先輩、一筋縄にはいきませんね」

 にやりと笑む鉢屋の顎に仙蔵は苦無を突き立てる。

「私を欺きたければもっと腕をあげるんだな」
「…覚悟してくださいよ?」
「おまえのその度胸は認めてやろう」

「あ、まってください先輩、」

 仙蔵がひらりと手を振り払った先、鉢屋は仙蔵の手首を掴んで唇に口付けをふらすと、さらに笑みを深めた。


「そう簡単には折れませんから、俺」



end.
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仙蔵>襲ってみろ
鉢屋>お言葉に甘えて☆

みたいな関係だったらいいなぁ…という妄想したらこうなりました(笑)


御題はJUKE BOX.様より


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