■ おかげで煙草の不味さを知った

※現パロです。
※伊作が煙草吸ってます。


 人気のない屋上で悠々と煙をくゆらせる彼の姿が、妙に目に焼き付いた。

「伊作、なにしてるんだ」

 伊作は視線だけをこちらに向ける。
 そして見たこともないような表情でにいっと笑うと、くわえた煙草を口から離してふぅっと煙を吐き出した。

「あ―あ。見つかっちゃった」

 生徒会長様に停学、最悪退学になるかもしれない問題行動を目撃されたというのに、伊作は慌てる素振りも見せずさらに笑みを濃くして見せた。

「仙蔵もどう?」
「断る」

 仙蔵は呆れ気味に伊作を一瞥する。

「今回は見逃してやるが、他の輩に見つかっては厄介だぞ?」
「大丈夫さ。口封じは慣れてる」

 伊作はポケットから灰皿を取り出して火をもみ消すと、ふいに仙蔵の腕を掴んだ。

「だから、仙蔵も……ね」
「……ッ…!」

 触れた唇から独特の苦味が口内にじわりと流れ込んでくる。

「ゃ…ん、ン、っあ」

 腰をがちりと固定されて身動きがとれない。

「やめろ伊作…っ、誰か来たら……」
「いいじゃないか。誰も来やしないさ」

 刹那耳元でかちり、と音がして、仙蔵は嫌な予感に顔を強ばらせた。


「録音、したよ。意味、わかるよね?」



――絶対に逃がさないんだから




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煙草吸ってる伊作ってよくないですか。


御題はChien11様より


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