■ 一人の夜に君を呼ぶ

 夜も少し更けた頃、裏々山まで自主練に行くという潮江先輩にお供するべく三木ヱ門は六年長屋に訪れていた。
「四年の田村三木ヱ門です」
「ああ田村か。文次郎は急ぎの忍務でつい先ほど出て行った。すまないと伝えておいてくれ、と文次郎から伝言を頼まれてな」
「そ、そうですか…」
 がっくりと肩を落とす三木ヱ門を見かねた仙蔵は少しの間思案した後に提案する。
「そうだ、よかったら私と行かないか?」
「え、いいんですか?」
「ああ、最近体が鈍っていてな…、」

 障子を思い切り開けば、煌々と月明かりが射し込む。

「さぁ、行こうか」


end.
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記念(?)すべき第十弾は三木仙でした!!
どう絡ませるか本気で悩んだ挙げ句この短さです(笑)なんやかんやで三木ヱ門書いたの初めてでした…

御題はDiscolo様より

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