■ 眩しくて見えないよ
長期実習が終わりやっとの思いで学園に帰ってきた滝夜叉丸は自室に戻るなり予め用意しておいた風呂道具一式を抱えて部屋を飛び出した。
基本的に綺麗好きである滝夜叉丸は泥やら土やらで汚れた体を一刻も早く洗い流したかったのだ。
脱衣場へ行くと大分遅い時間帯であるというのに誰かがまだ入っているようだった。
きっと四年の誰かだろうと思い、滝夜叉丸は意気揚々と浴室の扉をあけた。
「こんな時間に四年が来るなんて珍しいな、実習帰りか?」
「え…っ、ぁ、は、はいっ!!」
思いもしなかった仙蔵の登場に滝夜叉丸は柄にもなく狼狽える。
「入ってきても構わんぞ?私以外は誰もおらんからな」
「で、では遠慮なく……失礼いたします…」
あまりの緊張に声が震えてしまうのが情けない。
「平の髪は綺麗だな。手入れが行き届いている」
刹那滝夜叉丸の顔が輝く。
「ほっ本当ですか!?お誉めにあずかり光栄です…っ!!」
学園内でサラストランキング一位を誇る仙蔵に己の髪を誉められ滝夜叉丸はあまりの嬉しさに言葉が出ない。
「私は先にあがらせてもらうが…また機会があれば髪を洗わせてくれないか?いつも髪質の悪い奴らばかりわ相手にしているものでな、」
「も、勿論!是非ともお願いします!」
声が上擦る滝夜叉丸は興奮を隠しきれない様子で、食い入るように見つめながら仙蔵の背を見送った。
end.
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正直かなり書きづらかったです(笑)
第六弾は滝仙でした。
サラストコンビなので髪の毛絡みのお話になりました。
御題はDiscolo様より
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