■ 諦めに似た呆れ

「神崎、こんな所で何をしている」
 算盤を担いだ左門は辺りをきょろきょろと見回しながら六年長屋の廊下を疾走していた。
「はい、潮江先輩を探しています!」
「奴の部屋なら逆方向だ。あと廊下は走るな」
「立花先輩は潮江先輩と同室でしたよね??」
「ああ、そうだが」
「では、これを潮江先輩にお渡ししていただけないでしょうか!!」
 左門は担いでいた算盤を仙蔵に手渡す。
「潮江先輩が委員会室にお忘れになっていたので届けにきました!」
「それはご苦労、私が責任をもって文次郎に渡しておこう」
「ありがとうございます!!」
 左門は深々とお辞儀をしながら礼を云うと三年長屋とは真逆の方向にあっという間に走り去ってしまった。


end.
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第五弾は左仙。
何気に礼儀正しい左門とか萌えます。きっと育ちがいいですよ左門は。

御題はDiscolo様より

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