memo simple is the best! ::桎梏主と飯田の初対面 2ポイント、1ポイント、1ポイント、3ポイント、1ポイント……カウントを重ねながら、一心不乱に標的を探す。どのラインで合否が別れる事になるのか見当も付かず、飯田は焦っていた。そんな時だ、彼女の声が届いたのは。「大丈夫!?」 決して自分に向けられた言葉ではなかったが、飯田は何故か振り向き、声の主を見た。何度か見た女子生徒が、負傷して転んだ生徒に声を掛けている。一度ロボットをぺしゃんこに圧し潰しているのを見たせいか、脚部を破壊する事に努めているらしい彼女は、個性の使い方の上手い生徒として記憶していた。 お人好し、そう思った。 しかしながら、入試が終わった後も何度か彼女の姿が脳裏にちらつく。入試の真意に気付いての行動だったのかもしれないが、それでも何故か、彼女の事は強く印象に残っていたのだ。 ちなみに、飯田も彼女−−穴黒○も無事に雄英高校ヒーロー科に入学し、偶然にも出席番号が前後となったのだが、彼女の方は飯田の事を少しも覚えておらず、いやに歯痒い思いをした。 back ×
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