memo
simple is the best!


::デセール、G氏の見解

 すごくひさしぶりにかえってきた○は、よくわからないけれど、なんだか、かわっていた。
 なにがちがうんだろうとおもったけれど、よく、わからない。でも、オドシシさんはわかっているみたい。オドシシさんのかげにひそんで、そっと○を見る。やっぱり、よくわからない。
 せの高い、おとこの人と一しょに帰ってきた○。おとこの人はわたしを見て、てをばいばいってしたけど、わたしはすぐにかくれてしまった。
 おとこの人のわらったかお、○ににてる。
 ○はおんなの人で、あの人はおとこの人なのに、ふしぎ。

 わたしはオドシシさんみたいになんでもはわからないけれど、一つだけ、ちゃんとわかってることがある。ゴローンさんが、進化していたこと。
 ゴローンさん――ゴローニャさんに、「おめでとう」って小さなこえでいうと、ゴローニャさんはちょっとこわいかおをして、それから、「ありがとう」っていった。
「よかったじゃない、進化させてもらって」
「……まあ」
 オドシシさんとゴローニャさんは、ときどきむつかしいはなしをする。「ツウシンコウカン」とか、「ザクロノクソヤロ」とか、わたしにはよくわからない。
 でも、進化は、わかる。わたしも○のおかげで、進化できたから。
 いたずらずきのゲンガーさんは、わたしももう一かい進化できるよって言ってた。わたしは、ゲンガーさんみたいにいじわるになるのはイヤだけど、つよくなれるんなら進化したいなっておもう。つよいと、○のやくにたてるから。

 いいなあっておもって見てたら、ゴローニャさんにきづかれちゃった。オドシシさんのかげにかくれさせてもらって、すこししてかおを出したら、ゴローニャさんはまだわたしを見てた。
「べつに、いいものばかりじゃないぞ、進化なんてのは」
 おくびょうなわたしがふるえていると、オドシシさんが「まあまあ」っていいながら、つのをふる。
「わたしにはうらやましいかぎりだわよ。それに、あんたバトルすきじゃない。よかったんじゃないの、進化できてさ」
「それとこれとははなしがべつだ。おれは、○がいやがるなら、べつに、バトルなんてしないままでよかったんだ」
「そう? すなおじゃないのね」
「うるさいぞくそババア」
「なんだとくそガキ」
 いいあらそいをしはじめた二人から、すこしはなれる。二人のことは○のつぎにすきだけど、ああやっていいあらそってる二人はすきじゃない。



 ○の隣に居ようかと考え始めたゴーストが、○の新しい手持ちポケモン、ガチゴラスとメレシーに出会って悲鳴を上げるのは、この数分後の話。
 ...more

2013.11.24 (Sun) 00:47
連載番外365|comment(0)

back


prevtopnext

×