memo simple is the best! ::土男主とズミとライブキャスター 「おや、それは……」 「ん?」 「ライブキャスターでしたか? イッシュで流行りの」 「おお、そうそう。よく知ってるな」 「知識としては。しかし……珍しいですね、此方ではとんと見掛けませんので。それに、あなたがそういった最新機器を手にしていることにも少々違和感があります」 「ひどいな……まあそうだな、おれも持たされただけだからな。自分で買ったわけじゃない」 「はあ……持たされた、ですか……」 「ああ。すまんが今から電話をしたいんだ。履歴がひどいことになっている」 「どうぞ、お構い無く」 「すまん」 「もしもし、おれだが、出られなくてすま−−」 『ワタクシを待たせないでっていつも言っているのに!!!』 「……すまん。バトルをしていたんだ」 『……良いわ、解っていたもの』 「なら怒鳴らんでくれよ……それで?」 『なに』 「いや、君が電話をしてきたんだろう」 『いつになったらシンオウへ帰るのと聞きたいだけよ』 「またそれか。まだ帰らんさ。それともあれか、コクラン君無しの生活が辛くなってきたのか」 『……違うわ。ワタクシはただ、アナタが路頭に迷わないようしてあげたいだけ。昔のワタクシと一緒にしないで』 「そうだな、すまん。もう良いか? 今人と会ってるんだ。じゃあな」 『な! 待ってまだ話は−−』 「すまん、待たせたな」 「いえ。……今のは……」 「ん? ああ、聞こえていたか? すまないな」 「いえ、第一声だけ。それに、シンオウの言葉はわかりません」 「そういえばそうか」 「……女性の方のようでしたが……それも若い……」 「ああ」 「……もしかしてあなたの……?」 「ん?」 「……いえ……」 「……何となく言いたいことは解ったが……そんなじゃない。おれがシンオウに行ったのが彼女の後釜に入るよう言われたからで、仕事を無くしたおれを気にしてくれてるだけさ。君、この間のこともそうだが、もしかして思春期か何かか」 「なっ! 違います!」 「そうか?」 「それに……」 「ん?」 「また、着信が来ているようですが。ライブキャスターに」 「……着拒しようかな……」 back ×
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