memo simple is the best! ::ZBK主とキングとホラゲ2 「○氏さぁ……ほんとこの間から何なの。実は俺のこと嫌いなの」 怖いと噂のゲームを片手にキングの住まいに乗り込めば、彼は既に泣きそうになっていた。別に嫌がらせをしているわけではない。ただ、ちょっと、ビビりまくっているキングを見ていたいだけだ。 そんなまさかと笑ってみせれば、キングはひどく惨めそうな顔をして○を見やった。 バイオ、SHとホラー系のゲームをこの間から押し付けているが、どうも今回はまずかったらしい。キングの動きがちょくちょく止まる上、キングエンジンが鳴り止まない。傍から眺めている分には、さほど怖くないのだが。 しかし半泣き状態でプレイし続けている辺り、彼にもプライドはあったらしい。 「ねぇ……代わろっか?」 ○が尋ねれば、キングは無言で首を振った。声を出すのも怖いのか。 暫く経った後、不意にキングがゲームを一時停止させた。漸く代わる気になったかと彼を見れば、真っ青な顔で「○氏、ちょっと」と手招きされる。 呼ばれるままに近寄れば、キングは○を抱きすくめた後、そのままゲームを再開させた。コントローラーは未だ彼の手の中だ。どういうこっちゃ。 背後からは五月蝿いくらいに鼓動が聞こえてくるし、頭上からは湿った音が聞こえてくる。○はこの日以来、ホラーゲームを持ってくるのはやめた。 back ×
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