memo simple is the best! ::水族館主と一角、九月 「ふむ……やはりこの時期になると、来場者数がぐんと減ってしまうな」 「夏休みが終わりましたからね。みんな学校へ行っているんですよ」 「学校、とは、人間の子供の学び場だったな」 「そうですよ」 「親でもない人間に学ぶなど、人間は情の深い動物なのだな。これも一つの愛の形と言えるだろう。我々も部下の教育に力を入れねば」 「一角さんらしい」 「○殿も昔は学校へ行っていたのか?」 「そうですよ」 「それで、昔は夏休みがあったのか」 「一角さん、夏休み欲しいんですか」 「いや。私は私であることに、○殿達とともに丑三ッ時水族館で生きていることに誇りを持っている! 顧客を満足させるのは私達の義務でもあるのだ! ――しかし、そう、○殿に夏休みがあったら、一月ほどは○殿と会えないのかと、そう思っただけだ。○殿が学校へ行っていなくて良かった」 「飼育員ですからねえ」 back ×
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