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::うそつか主とシリウスとゲームの話

「まあこういう風に、マグルは数字の書いてあるカードだけでゲームをするのだよ」
「ふうん……何の仕掛けもない紙切れでよく暇が潰せるな」
「そうは言ってもシリウス、君達のチェスだってルールはマグルのものと同じじゃないか。単に動くだけだろう?」
「単に動くだけ!」
「君の笑いのツボは未だに解らないなあ」

「大体、○、『君達』って言うのはよせよ。お前だって魔法使いじゃないか」
「まあね。でも僕の両親は魔法使えないし……僕も血筋だけ見たら純マグルだからね」
「あー……そういえば……」
「ホグズミードに住んでいるのにね」
「な」

「そんなことよりだよシリウス。トランプだよトランプ」
「ええー……」
「乗り気じゃないね。でも今は夏休みだし、魔法を使うわけにはいかないんだから。遊ぶのもマグル式じゃないと」
「ちょっとぐらいならばれないぞ。あれ、地域と家で魔法反応があるかどうかで判断してるんだ。未成年が魔法を使っちゃいけないんじゃなく、未成年しか居ない状況で魔法を使っちゃいけないんだ」
「例えそうだとしても、校則は破っちゃいけないね」
「お前、本当にグリフィンドール生か?」
「ハッフルパフが良いってお願いしたんだけどね。残念ながら。まあグリフィンドールじゃなかったら、夏休みに君を招待することもなかったろうね」

「トランプ……だっけ? 数字が書いてあるだけだろ。どう遊ぶっていうんだ」
「さっきもちょっと説明しただろう。ババ抜きとか神経衰弱、七並べとかスピード、ダウト……」
「……ダウト?」
「うん。何だい」
「いや……。そのダウトってどうやるんだ。二人でもできるのか?」
「できるとも。やるかい? ルールは――(省略)――こんな感じで」
「つまり、嘘を突き通すゲームか」
「そうだね」
「よし、やろうぜ」



「……おい」
「シリウス、こういう頭脳ゲームは得意だろうと思ったんだけど、そんなこともなかったね。どうだい、マグル式もそれなりに楽しいだろ?」
「○! お前嘘はつかないって常々言ってるくせに!」
「っははは。勝負じゃ別さ!」
「くそ! 笑うな! ○、もう一回だ!」
 

2013.09.16 (Mon) 23:08
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