memo simple is the best! ::光捕主と無免ライダーと眼鏡 「ねえ」 「うん?」 「あなたがいつも顔に付けているのは何なの?」 「は?」 「付けていない人も居るわよね?」 「……ああ! 眼鏡のことか!」 「めがね」 「そう、眼鏡」 「ゴーグルとは違うの?」 「これは落ちた視力を補うものだよ」 「視力を……補う? ですって?」 「そうそう」 「何故視力が落ちるの。目が悪くなったら生活できないじゃない」 「(彼女が言うと、違った意味で聞こえるな……)それを補うための道具だよ」 「どういう仕組みなの?」 「……君は本当にどうしてちゃんだなあ」 「何って?」 「いや。――そうだな、実際に掛けてみた方が早いんじゃないか」 「……それ、あんたのでしょう。私、目は悪くないわ」 「いいから」 「……よく見えないわ。これは補うための道具じゃなかったの。何だか……変ね。歪んでるわ」 「目が悪くなるというのは、そうだな、物がはっきり見えなくなるということだから、人口のレンズを作って大きく見せたりしているんだよ」 「よく解らないけど、あんたの目が悪いことは解ったわ」 「それは何よりだ」 「……何だい? そんなにじっと見て」 「よく見えないけれど……少し顔が……違うのね?」 「顔は違わないと思うけど……まあ見た目の印象が変わることはあるかもしれないね」 「ふうん……。あんたのその顔知ってる人はそんなに居ないんじゃないでしょうね」 「……まあ……そうかもしれないね……」 「眼鏡をかけている君を知ってるのも、俺だけだろうね」 back ×
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