memo simple is the best! ::ZBK主とキングとぷよぷよ2 実際のところ、二人のぷよぷよの腕はキングの方がわずかに勝っていた。○はどちらかというとパズルゲームは苦手だったし、キングもいつだかはやり込んだことがあったが、毎日ぷよぷよばかりをしているわけではない。先日○の言った十九連鎖というのも、出したことがあるというだけで、常にそれだけ続けているわけでもない。しかも○を相手になど不可能でしかない。 キングも○も、どちらも一言も口を利かず、無心になってぷよを積んだり消したりしていた。話しながらプレイすることもあるにはあるが、互いに会話がないのは真剣になっている証拠だろう。しかしそろそろ決着が着く。 「あー……負けた……やっぱキング氏は強いね」 ○はそう言って苦笑を浮かべた。 「んー……やっぱりこの間のはたまたまだったんだね。一対一じゃ勝てないわ。まあ、サイタマさんとジェノスくんが居ると、邪魔してくれるからなあ」 まあ私も邪魔されるけど、と○は付け足した。キングも同じように薄い笑みを返しながら、「そうだね」と小さな声で呟く。 先日と違うのは、サイタマとジェノスが居ないことだった。キングの家で二人きりでプレイしているということだろう。確かに最近は、四人で対戦できるゲームは彼らとともにすることが多くなっていた。サイタマは誘えば乗ってくるし、ジェノスはジェノスで人数合わせに入ってくれと言えば承知してくれる。 キングは今まで、○以外の誰かと対戦することがなかったため、彼らとともにプレイするのは確かに新鮮だった。そして、それは○の方も同じなのだろう。 「やっぱり四人の方が楽しい?」 キングが尋ねると、○はちらりとキングの方を見た。「まあ、そうかもねえ」 「でもキング氏と二人でやってる時が一番楽しー」 「……え、」 「二人きりでゲームするの久しぶりかもね?」○はからから笑った。「さーもっかい戦やろうよ。今度は絶対私勝つし」 「あー……うん」ワンテンポ遅れて、キングも小さく笑った。「次も俺、勝つよ」 back ×
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