memo simple is the best! ::光捕主となんか鬱陶しい無免ライダー ※二話目あたり そうまでしてヒーローになるのを勧めるのは、やはり私の存在が鬱陶しく、早々に追い出したいからなのだろう。○がそう言うと、無免ライダーは目を瞬かせた。 「いや、それは、違う。違うよ。それは有り得ない」無免ライダーが言った。 「それならどうしてそんなにどもっているのよ」 ○がそう口にすれば、無免ライダーは苦しげに呻いた。「だって、君、今の生活は、その、」 ごく小さな声で何と言ったのか、○には聞こえなかった。 眉を寄せて無免ライダーを見詰めていれば、彼は再び「だって」と言った。 「俺としては、今の生活に不満は無いんだ。○さんと一緒に暮らしているのは楽しいし、できればずっと一緒に居て欲しいとすら思ってる。外回りから帰ってきた時君の顔を見ると安心するし、何と言うかシンコンセイカツみたいで正直幸せなんだ。本当だよ。君はどうも俺の所に転がり込んでると思ってるみたいだけど、俺の方も君に居て欲しいと思っているんだよ。けど、そう、君をこの家にずっと居させているのは……カンキンしてるみたいじゃないか。だからだよ。決して君を追い出したいからじゃない。むしろずっと居てくれて良いんだ。俺はそう思ってる。けどだからこそ君に外の世界を知って欲しいんだよ、俺が滅多なことをする前に。そりゃ君がそれでも良いなら俺は君のことを一生此処に居させるけど君の気持ちを無視したくはないんだ。−−俺も君にイゾンしないようにするから、君も俺が君を追い出したがってるとか、そんな風には思わないでくれ」 早口でまくし立てた無免ライダーに、○は頷くしかなかった。彼が何を言っているのかいまいち解らない所もあったが、○を追い出したいわけではないらしいことと、素直に心情を吐露する彼は存外に鬱陶しいということは理解した。というかこの人、自分でも何を言っているのか解っていないんじゃないのか。 無免ライダーは心底ホッとしたとでも言うように、ひどく嬉しそうな顔をした。○も笑っておいた。彼が○を家畜化させたがっているらしいという事は、聞かなかったことにした。 back ×
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