memo simple is the best! ::わたふこ主とソニック、海人族編にて まったくついていない、○はそう思った。先ほどまで、コンビニのトイレで立ち往生していた。立て付けが悪かったのか、運が悪かったのかは解らないが、○が避難を促すサイレンを聞いたのはトイレの個室だった。漸く出ることができたが、店には人っ子一人居らず、逃げ遅れたらしいと解る。 外に出たら怪人とばったり。十二分に有り得る。 そうなっても良いように−−いやもちろん良くはないが−−○は慎重に店の外を窺い、自動扉をくぐった。怪人と出くわしたらすぐに逃げられるよう、身構えながら。 ○は自分がついてない女の子だということはちゃんと自覚していた。しかし流石に、怪人でなく全裸の成人男性に出くわすとは予想だにしていなかった。 周囲に気を配りながら、○は近場のシェルターを目指していた。しかし突然目の前に人影が立ち塞がり、ついうっかりその全身を目に入れてしまった。 傷だらけの肢体はまるっきり隠されていなかった。一糸纏わぬその姿に、○の緊張が霧散する。しかもこの変質者、口を利いた。 「お前、こんな所で何を−−」 「ヒ、ヤァァァアアア」 口が塞がれたと思ったら、次の瞬間腹に強い衝撃が走り、気が付いた時には見知らぬ部屋の中に押し込まれていた。知らない場所で一人きりになってから、さっきの全裸男が知り合いだと気付いた。 音速のソニックが帰ってくるまでの小一時間、○は自分の不幸を呪った。何が嬉しくて知人の全裸など拝まなければならないのだ。いや他人のも嫌だけど。 back ×
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