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::わたふこ主とタンクトップタイガーと結論

「……ホントみてえだな」
「はい?」
「お前がやたら怪人と会うってのがよ」
「信じてくれたんですか! タンクトップタイガーさんが持論を変えてくれた!!!」
「てめえ何だそのわざとらしい喜び方!」
「タイガーさん、意地でも自分の考え曲げなさそうじゃないですか」
「どういう印象なんだ俺は」

 ○はまたも怪人と遭遇していた。一つ違うのは、その直後にタンクトップタイガーが現れたことだろう。そして彼は――逃げていった。いや、逃げたのかどうか、それは解らない。本人のみぞ知るところだ。○が彼が逃げたように思ったからといって、そう見えただけかもしれないし、もしかすると○がタンクトップタイガーだと見間違えただけかもしれない。
 小山ほどもある大きさだった怪人は、おそらく災害レベル“鬼”ほどはあっただろう。その怪人は既に倒されていた。現れたS級ヒーロー、シルバーファングによって。あの老人の姿は何度か見たことがある。助けられたこともある。これで三度目だ。もしかすると、彼もこの近くに――Z市に住んでいるのかもしれない。
「お前、さあ」
「はい?」
 今は野次馬も消えている。シルバーファングの爺さんもいつの間にかどこかへ行ってしまった。残っていたのは足をひねってしまい身動きの取れなくなっていた○と、再び姿を現したタンクトップタイガーだけだった。
 親に迎えに来てもらうかなと思案していたところに彼はやってきた。そしてそのまま○を怒鳴り付け、今に至る。
 湿布を貼り、包帯を巻いてくれたタンクトップタイガーは随分と手慣れている。これは自分のせいだろうかと、○は思う。
「引っ越そうとか思わねーのかよ。Z市からよ」
 ○が答えると、タンクトップタイガーは眉を顰めた。
 

2013.07.24 (Wed) 17:45
連載番外365|comment(0)

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