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simple is the best!


::水族館主と一角と距離感

「○殿、例の企画の件なんだが」
「何でしょう」
「どうにも解らぬ所があって。何故人間が一緒だと受けが良いのだろうか。サカマタ殿一人でも充分事足りると思うのだが」
「うーん……やはり芸の幅が広がるからでしょうね。人間だけでは出来ない事を動物と共にやってみせるのが、重要なんじゃないかと」
「ふむ……そういうものだろうか。では、他の者も調教師と共に芸をした方が良いだろうか」
「どうでしょう、難しいですね。全部が全部そういう形をとっても飽きるでしょうし。ああ、ここじゃ今までなかったから受けている、という節もあると思いますよ−−まあ……何にせよ人間のスタッフ他に居ませんからね」
「○殿」
「ははは。死にますよ?」
「それは困るな」


「おい、シャチよ」
「俺の名前はサカマタだが?」
「チッ……サカマタ、あの二人、近過ぎやしないか。何故ああも横に居る」
「どの二人だ」
「飼育員と一角だ」
「別に普通だろう。あいつらは飼育員と飼育動物なのだし」
「それはそうだが」
「−−俺も混ざってくるか」
「…………潰すぞ」
 

2013.06.27 (Thu) 19:13
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