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::うそつか主とシリウス、四巻頭にて

「やあ。久しぶりじゃないかいシリウス」
「……お前、どうして昔と変わっていないんだ」
「見た目のこと? 君、僕が吸血鬼だと知っているじゃないか」
「違う」
「ああ、そうだ、そっちの君には悪いのだけれど、最上階の部屋で構わないかな? 地下は埋まっていてね。すまないけど、もう少し待っていてくれると助かるね。片づけてくるから。名前は何というんだい、シリウス」
「バックビークだ」
「そう。バックビーク。よろしくね」
「○、私の質問に答えてくれないか」
「アズカバンで察しが悪くなったかい? 昔の君なら何も言わずに解ってくれていたような気がするのだけれど」
「そうかもしれない」
「僕は君が凶悪殺人犯であっても、親友だと思っているからだよ。別に君になら殺されたって構わないさ。まあ、どうも君の様子を見るに、そうではなかったようだけれど。詳しく聞かせてくれるんだろう?」
「……ああ」
「それならそれで良いじゃないか。幸い、僕ん家は客人が少なくてね。省のお友達だって三年に一度くらいしか来やしないさ。君が居てくれれば両親も喜ぶよ。もちろん僕もね。おかえり、シリウス」
「……ただいま、○」
 

2013.06.05 (Wed) 17:20
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