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simple is the best!


::水族館主と伊佐奈と褒め殺し

「館長さんは本当に凄い方ですね」
「……ハァ?」
「開館してから大入り満員ですし、寄せられる感想も、また来たいとか、面白かったとか、そういうのばかりですもん」
「別に、わざわざ水族館なんかに苦情寄せる奴もいないだろう。そんな労力があったら、別のことに使う」
「ああ、だから館長さんが凄い方なんですねえ。……いえね、私が昔勤めてた頃は、いつも苦情ばかりで……はは……。こんなにたくさんの感想とか、見たことなかったです。やっぱり嬉しいですね」
「お前、それは……」
「……? 何ですか?」
「いや」
「やっぱり経営者によって変わってくるんですかね。館長さん、数年前? に、来たばかりなんですよね?」
「……ああ」
「凄いなあ……。館長さんの手際を、もっと最初から見ていたかったです。くっ……どこぞの金持ちにリストラさえされなければ……」
「…………」
「それを考えると、館長さんは本当に凄……あれ、館長さん、どこ行かれるんですか?」
「ちょっと外の空気を吸ってくる」
「はあ……いってらっしゃい。――うわ、サカマ、サカマタさん!」
「お前は本当に面白い反応をするな」
「あの、申し訳ないとは思っているので、面白いとかそういう……というか音も無く近づかないで下さい……」
「善処する」
「というかサカマタさん、笑って……ます?」
「んん? いや、何、伊佐奈の奴もニンゲンらしい所があるのだなと思っただけだ」
「???」
 

2013.06.03 (Mon) 11:12
連載番外365|comment(0)

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