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simple is the best!


::うそつか主と親世代、三巻にて

「どうして……どうしてお前はそう、我輩を巻き込もうとするんだ」
「巻き込む? 先生、そんな風に思っていたのかい? 心外だな。僕ら友達じゃないか。ああマダム、バタービールを追加で頼むよ。それで良かったよね、ルーピン先生?」
「ああ」
「解ったわ、○」
「お前に先生だなどと呼ばれる筋合いはないし、巻き込むことしかしていないと思うのだがね」
「随分と酔っているようだね、セブルス。他人に酔ったところを見せない人だとばかり思っていたが」
「いや何、昼過ぎから此処に居るからね」
「昼過ぎだって?」
「そうさ。延々と愚痴を聞かされているんだ。営業妨害になっていやしないかと、流石の僕でも心配しているよ」
「あら、大丈夫よ。例のキューコンノイドとか何とかのせいで、商売あがったりですもの。毎日だって構わないわよ。はいこれ、バタービール。ルーピン先生にだったわね」
「そう言ってくれると助かるね」
「ありがとう、ロスメルタ」
「大体、仮に我輩とお前が友達だとしても、そやつは断じて違うぞ」
「本当に酔っているね……」
「何だい、君達まだ喧嘩しているの。物好きだね」
「喧嘩というか……。まあ、皆が皆、○みたいじゃないからね」
「僕みたいって? 大雑把で能天気ってこと? 僕は先生の、こういう神経質なところ、とても好きだと思っているよ。魔法薬学の先生はこうでなきゃあ」
「ああ、確かに薬学のお偉い先生は、皆神経質そうだ」
「それか変人、奇人の域だ」
「それ、フォローになっていないんじゃ……いや、うん、何というか、○は昔と変わらないね」
「そう? 君は老けたね、ミスター。さあどうせ来たんだ、久しぶりに語り合おうじゃないか。それに、まだ君のお祝いをしていなかったね。防衛術か……今日は僕が奢ってあげるよ。好きなものを頼むと良い」
「……○」
「何だい」
「いいか、よく聞け。ただちにそやつと縁を切らなかったら」
「切らなかったら?」
「切らなかったら……切らなかったら……」
「絶交?」
「そうだ、絶交だ! 絶交してやる!」
「……おい、ルーピン、そんなに笑ってやっちゃ可哀想じゃないか」
「○だって笑っているくせに、よく言うな」
「○!」
「……本当に酔ってるなあ……ああハイハイ、切るよ、切れば良いんだろう。そうだ、先生、今度のクリスマス、何なら僕ん家に来るかい? 良いツリーもあるんだ。一緒に語り明かそうじゃないか、昔みたいに」
「……良いのかい?」
「君が城に残っていたいなら別だけれど。出ないだろ、ディナー。父と母も喜ぶよ。僕の母のクリスマスプディングは、ホグワーツの屋敷しもべにも劣らないと思うよ。……何だい、先生も来るかい? ハグリッドからの特大ツリー、まだ星が無いんだけど、君、飾る?」
「お前という奴は……本当に……」
「ああほら、飲んで飲んで。クリスマスくらい喧嘩は忘れるべきだよ、ミスター」
「本当に……昔と変わらないな、○は」
「はは、そうだろ? もっとも君達だって、変わっていやしないさ」
 

2013.06.02 (Sun) 19:56
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