「なにしにきたんだよ」 「報告。あの子の片割れが旅団に入ったよ。体術も念もピカイチ、強情なんだけどクロロがなぜかお熱でね…☆」 不機嫌そうにヒソカを睨むイルミの眉間がさらに深く歪む。いちおうその報告をね、とカンナを横目に見ながら笑うヒソカ。切れ長の瞳をより一層細め、舐めるようにみている。まるで獲物を品定めする肉食獣のように。 「クロロのペットが仔犬なら、イルミの恋人は仔猫かな◆」 「仔猫?」 「旅団にいるのは手懐けたらなんとかなりそうだけど、あそこにいるのはなかなか懐きそうにない★」 ────…仔犬のほうは噛みつくから大変なんだけど。 「さて、帰ろうかな◇」 「もう来るな」 「うんもう一目見たからいいや。いまは旅団の仔犬からかう方がおもしろいし、イルミもおっかないし☆」 じゃあね、と笑顔で手を振って店を出てくヒソカを見ながらイルミはなぜか拍子抜けした。性格上、もっとしつこく追いかけてくるのかと思っていた。気まぐれな性格にはやはり着いていけない、とため息をつき、一人で退屈しているだろうカンナの所へむかった。 |