パリィ───…ン 飛び散る硝子の破片 私は窓を蹴り破り彼女の首を狙って飛びかかったが、彼女は咄嗟に何かで私のナイフを弾いた。恐らく彼女も小型のナイフを持っているのだろう。特殊な塗装をしているようで闇に溶け込み見えないようになっているようだ。 『(ちょっと待て!)』 「……、」 『(なんで私がいるの?!)』 目の前にいるのは私(正確に言えば私の顔をした誰か)けれどあっちの方が髪は長いし、悔しいけど彼女の方が痩せている。 「アンタ敵、見方?」 『………』 「無言って事は敵、って考えても良いよね?」 まぁ、声もソックリ 敵か見方かと言えば敵だけれど、ここまでソックリなら少し同情してしまう。仮面してきてるから相手の念ってことはないだろうし、なんとも不可解。取り敢えず彼女の黒いナイフは危険だ |