お昼休み。

「おぉ〜、今日は一段と疲れた顔してんな〜佐藤」
「ははっ…月曜は気が抜けない授業が多くて…」
「おい、大丈夫か?保健室行くか?」
「多分大丈夫…」
『ほら〜なんか佐藤くんやつれ気味だし、皆から心配されてるみたいだし、絶対総受けだって!』
『それより私は横野×たかよりかなぁ〜。天然受けにヘタレ攻め』
『じゃあ加藤くんは?』
『う〜ん…強気受けも捨て難いけど、ブームに乗って鬼畜攻め!』
『いいねいいね!ソレ決まり!』

「…吐きそう」
「大丈夫か佐藤ー!!」
心配してくれんなら僕たちでおホモ達妄想してる彼女ら止めて!!


五時間目、生物
「じゃあ今日はカエルの解剖ね。お前ら昼飯の後でよかったな〜」
笑い事じゃないです先生!
でも僕自身はグロいの平気だし、男子も女子もキモい、とかグロい、とかやりたくない、とかしか考えてないからちょっとラクかも…
『なんで自分、こんなだっさいポーズで腹開かれてるんや』
『おい、お前かてこの状況に疑問感じとるやろ?』
『なぁきいとるん?お前ならきこえとるんやろ?わいの声が』
ナニコレ…まさか…僕、死んだ、しかもカエルまで読め…
『なーんて、考えてたりして。あーカエル可愛い。ゴメンねカエル』
遊んでないでちゃんとやってよ!!


六時間目、体育
「前もって連絡してた通り、今日は柔道やるぞ」
体育はこれといって得意でも不得意でもないけど、体動かせてすっきりするし、必死なときは読んでるヒマはないから好きだ。
今思えば、格闘技でもやっとけばよかったのかも。ほら、“邪念を払う”とかなんとか、そんな感じで。

『柔道着ハァハァ…柔道着萌え…』

うそっ?!何、今の誰?!
ちょ、ホント誰?!
うーわー受身とってたから誰の思考か判断出来ないよ!
え、次、ローテーションで乱取り?!


放課後。
あぁ…やっと今日という一日が終わった…。
家に帰りさえすれば、もう安全なんだよね。
うちの家族はみんな考えが平和だから。第一、少なくとも他人じゃない、ってのがいいよね。
ちょっとは罪悪感が緩和されるんだ。
こころが読める、エンパスっていうんだけど。やっぱその人にとって他人に知られたくないことも覗いてしまうでしょ?
まぁ望んでやってるんじゃないけどね。
だから僕は、生きている事にすら罪悪感を覚えているワケさ。
「さーとうっ、ひとりで何してんだ?」
「!!!…中島、」
「今ヒマ?ヒマだよな?よし、マック行こうぜ!俺、ハッピーセットのポケモンカード欲しいんだよ」
「え、あ、ちょっ、おい中島!」
まだ僕の一日は終わらないみたいだ。



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