「このフィルモアもやっと人の住める土地になりましたね」
「俺はやったのか…!」

神も思わずガッツポーズ。
魔王の手から、遂に第一の土地フィルモアを開放したぞ…!

「えぇ、見ててとても危なっかしかったですけど」
「言うねぇ君ぃ」

神は機嫌が良いので、エンジェルの辛口も軽く受け流すのだ!
エンジェルは一瞬、『なんだこいつ気持ち悪ぃ』という顔をしたが。


「これからは魔物から人々の生活を守ってあげなくてはなりません」
「そうか、まだ魔王の脅威が完全に去った訳じゃないものな」

言い終わるか否かの内に、エンジェルはどこからともなく弓矢と矢筒を取り出した。

「うおっ何なの反逆?!」
「私は神さまの言うとおりに動きますから天使の矢で魔物を退治してください」

驚いた俺の叫びを華麗にシカトし、凛々しい面持ちのエンジェルは話を続ける。
こないだから思ってたけど、こいつ何するにも突飛過ぎんだよな…。


不意に、天空城広間の中心にある大理石のパネルが光った。
その場にそぐわない電子音が響いて、パネルの上に大きなモニターが出現。下界…フィルモアを映している。

「地上に点在している魔方陣は魔物の巣です。
神さまが人間を上手に導いてあげれば、それを封印することでしょう」
「おぉ、なるほど」

森林と草原の広がるフィルモアの大地には、4つもの奇妙な魔方陣が配置されていた。

「魔物の巣を全て封印すれば、この地域を支配している魔物が現れ、そいつを倒したとき、フィルモアは人間だけの土地となります」




「では神さま。可愛い人間の為に頑張りましょう」

エンジェルは満面の笑顔で、ぱちん、という奇妙な音と共に消えた。




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