上へ下への障害物だらけなフィールドを抜け、刺の絨毯が敷いてある丘を大きなジャンプで越えると、広い平原に出た。 そこに鎮座していたのは、上半身が人間(と言っても、普通の人間の二倍の背丈はある)で、下半身が逞しい馬の、槍を持った魔物。 「何?こいつボス?あ痛い痛い!!」 槍で突かれた。 「奴はセントールですね。人馬一体の魔界の騎士で、手にした槍から稲妻を放ちます、避けてください!」 「えぇっ情報それだけっ?!避けろとか無茶振り過ぎんだろ!!」 真横に突いてきた槍を、しゃがんで避けると、そのまま剣で斬りつける。 悲鳴をあげたセントールは、槍を小高く掲げると、切っ先から稲妻を呼んだ。 轟音が辺りに響く。 「崖っぷちに陥った神の強さ見せてやる!これでも俺は神なんだ!」 バックステップでそれも避けると、セントールの方が後ずさる。神は魔物を逃さない。 一気に切りつけると、傷だらけになったセントールは小さな爆発と共に消滅した。 「あ・倒したーっ!!」 気付けば、天空城の中にいた。 「魂が戻った…」 銅像に入っていた時の、身体が重い感覚はもうしない。下界で魔物に負わされた傷も、完全に癒えていた。 まぁ天空城にいる状態だと実態も何もないので当然かも知れないが。 「おめでとうございます神さま」 top |