「亮太、くん…?」
冷えた体を包む、腕の感触。
コート越しに伝わる、彼の胸の鼓動。
「プレゼントは…ユキちゃんが、いい」
耳元でささやく低い声に、体中の熱が一気に駆け上がってくる。
外では絶対に聞くことがない、彼の一面。
「…ね?」
「…亮太く…」
覗き込むようにして、その柔らかな温もりに飲み込まれていく声。
月に照らされて伸びる、大きなモミの木の影に隠れて。
大好きな温もりに包まれる。
プレゼントは、わたしが貰っているみたい。
「…ユキちゃんはずっと、俺のものだよ。だって…」
ねえ、ユキちゃん、知ってる?
うん?
あの白い実、ヤドリギの下でキスをすると、どうなるか。
ううん…どうなるの?
”結婚の約束”って意味があるんだって。
え…。
だから、ユキちゃんはずっと、俺のものだから。
亮太くん…。
覚悟、してよね?
―End.
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