裏黒 | ナノ



二人が離れていって、寂しいと感じていた。

もう、自分には興味は無くなったのかと…。

自分が女だから、連みにくくなったのであろうと、強引に意味付けた。

しかし、二人の女関係の話を耳にする度、胸の奧がチクリと 痛む。

何故だろうと、ある日ずっと心に蟠っていた想いを、ポツリと呟いてみた。

「政宗と元親が好きだから…。」

音に乗せた途端、嫌でも自覚する。

『ああ、そうか…。』

漸く気付いた自分の心。だが、それを伝えるのには距離が空き過ぎた。

そして何より、想い人が一人ではない事が元就を余計に躊躇わせる…。

今までこの様な、突っ込んだ相談事が出来る友人も居なかった。



そう、今までは。



よく晴れたとある日の学校の屋上で、何時も通り慶次に誘われて昼食を摂っていた。

その時、不意に慶次が…。

「そう言やさ、ナリちゃんって好きな奴居ないの?」

と、尋ねてきた。

「…え?」

唐突な質問に、何事かと一瞬箸が止まる。

「いやぁナリちゃんモテるのに、そういう類いの話全然聞かないなぁ。って思って。」

その様子を見て慶次が、のんびりとした口調で疑問を口にする。

モテた事など一度もないが、良い機会だと思い切って相談する事にした。

驚きも、軽蔑もなく慶次は元就の話を聞いてくれ、そして一通り説明した後、慶次に言われた台詞は…。











『まさか、この様な所で告白する羽目になるとは…。』

二人の幼馴染みは元就の告白に驚いたのか、動きが止まっている。

何故か居た堪れなくなってきて、はだけたブラウスを手で閉じ、ベッドから降りようとした。

途端。

肩を軽く掴まれたかと思うと、そのままベッドに引き倒された。

「なっ…何を…。」

視界に二人が映る。その面持ちは真剣そのものだ。

「今の…本当か?」

元親に問われ、元就は素直に頷く。すると政宗に抱え上げられて、後ろから抱き締められた。

「…!政宗?」

「何だ…俺達馬鹿みてぇじゃん。」

驚いて振り向くが、元就の肩に顔を埋めていて、その表情は見えない。

「…!?」

政宗に気を取られていたら、元親に両膝を持たれて広げられた。

「も…元親?何…やっ…!」

再び陰部を嬲られる。

「んっ…!あっ…政…宗…?」

ブラウスの中に手を入れて、後ろから政宗が乳房を弄ってくる。

「ふ…二人とも…何を…?」

「Ah?続き。 」

「何で…?」

何故行為が再開されたのか分からない元就は、思わず問い掛けた。

「何でって…。なあ…?」

「両想いなんだから、当たり前だろ?」

元親の台詞に、目を見開く。

「…両想い…?でも我は…二股を…。」

「そんな事は、どうでもいいんだよ。元就が俺達を好きだって事が重要なんだ。」

後ろめたさに口籠る 元就を遮って、政宗が言う。

「…だが…。」

「今はまだ…それで良い。」

そう言って、尚も言葉を紡ごうとする元就の唇を元親が己の唇で強引に塞いだ。

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