七
更に翌日。
「あっ!元親ちゃん!」
学校に行こうとしたら、元就の母親に呼び止められた。
「お早う御座います。」
「お早う。昨日有難うね。就、二学期から学校行くって。元親ちゃんのお陰よ〜。本当にありがとう。」
「そうですか。それは良かった。」
「あ、今から学校よね。引き留めてごめんなさい。行ってらっしゃい。」
「はい。行ってきます。」
軽く会釈をして元親は学校へ向かった。
元就は本当は今日からでも学校へ行くつもりだったが、元親が“後もう少しで夏休みだし、学期変わってからで良いんじゃね?”と言って止めたのだ。
その間に例の男を締める為に。後、序でに女共を厳重注意するのも含む。
二学期になってから、元就は再び学校へ通い始めた。
が、
「…元親…。」
「ん?何だ?」
「何故か学年の上下問わず、皆我を“姉御”と呼んでくるのだが…。」
「おう、良かったじゃねーか。これで、もう誰もお前をストーカーしようとか、嫌がらせしようとか思わ無ぇぞ。」
「…そうか…。」
何だかよく分からないが、暫く離れていた幼馴染みが結構な影響力を持った人間になっていた様だと察し、元就は細かく考えるのを止めた。
終
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