裏黒 | ナノ



ピリッ

袋を破く音…。

元親は、そのまま其れを自分の一物に着けた。そして、元就の脚の付け根に手を添え、軽く持ち上げる。

「…此れで判るな政宗…。」

「ああ…。」

「?」

何が判るのだろうか?自分を挟んで会話する二人に元就は首をかしげる。

「は…!?」

急に政宗に陰部を広げられ、思わず身を捩って逃げようとした。

すると政宗が更に身体を密着させて、動きを封じ元親に次の行為を促す。

「チカ…。」

「おう。」

スリッ…

元親の一物の先端が元就の恥部を撫でる。

「…やぁ…」

今から自分に起こる出来事と羞恥に、元就は無意識に顔を反らした。

「怖く無ぇって…な?ナリ。」

反らした所に政宗の顔があり、軽く唇を吸われる。

「ん…。」

一瞬気が削がれた隙を突いて、元親が腰を進めてきた。

メリリ…!

「ああっ…!ぐっ!」

あまりの衝撃と圧迫感に息が詰まる。

「息吐け…元就…。」

「うっ…はぁ…」

元親の言葉に従って、元就は何とか息を吐き力を抜こうと試みる。

「いい子だ…。」

そう言うと、更に奥まで突いてきた。

「いっ…た…!やああっ…!」

元就は、自分の身体の奥で何かが引き切れた感じがした。

「…全部入ったな…。」

「ああ…。だな。」

「ひあっ!?」

今度は一気に抜かれて、上擦った声を上げる。

「どうだ?チカ?」

政宗が身を乗り出す。

「…着いてる。」

「The truth!?良かったぜ…。」

『良かった?何が?』

意味が分からず、元就は二人を見やった。

その視線に気付いた政宗が笑顔を浮かべて、元就の髪を梳きながら

「ナリがvirginだって事が分かって良かったっつったんだ。」

と言った。

「と、当然であろう!何故そんな事…!」

自分に対して余りに失礼な二人の言い様に、元就は思わず大声を上げた。

「イヤ…だってよぅ…。」

「…なぁ…。」

元親と政宗は、気まずそうに互いを見る。

「…お前…慶次と仲、良いからよぅ…。」

「?」

確かに、自分は慶次と仲が良い。其れが何だと言うのだろうか?「Ah〜だから…。ナリが慶次と良い関係じゃないか、って…。」

元就が思案していると、政宗が疑問に答えてくれた。

一瞬、呆気に取られる。

「なっ…!何故その様な考えに至る!」

元就は、思わず怒鳴ってしまった。

全くその気も無いのに、言い掛かりも甚だしい。

「…!それで、この所業か!」

今まで避けられていたのに、突然密な関係を強要され、挙げ句、あられもない姿を曝された。元就には良い迷惑だ。

「前田は我の友人だ!其方らが思っている様な関係ではない!」

恥ずかしさと怒りが混ざって、つい語気がキツくなる。

「…。じゃあ…好きな奴とか、いないのか?」

元就の昂奮を和らげる為か、政宗が静かに問う。

「…!」

元就は言葉に詰まった。

「…居るのか…?誰だ!?」

その反応を見て、二人に詰め寄られる。

「そ、その…。」

「俺等の知ってる奴か?」

「知っていると言えば、知っているが…。」

「誰なんだよ…!」

中々名前を言わない元就に焦れたのか、今度は元親の語気がキツくなった。

その声に肩を震わすと、

「悪ぃ…。」

小声で謝られる。

暫しの沈黙。

元就は一度唇を噛み、意を決して口を開いた。

「わ…我が、好きなのは…」














「其方達だ…。」

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