裏黒 | ナノ



パンッ!パンッ!パンッ!

肉と肉がぶつかり合う音がする。

「あっ!あん!あぅ…!」

それに合わせて、苦痛を伴った声が漏れる。


『痛い…。痛い痛い痛い痛い痛い!』

今迄、未通だった己のソコに、いきなり凶器にも似たソレを突き刺され、幾度も抜き差しを繰り返される。その行為は、只痛いだけ。

男自身の欲を、一方的に打ち付けられている…。そんな感覚。

そう言えば、ゴムも着けられていない…。

「…!あっ!」

何度か突き上げられた時、弾みで棚からずり落ちかけ、咄嗟に両手で支えた。

パンッ!パンッ!

「うぐっ…!ひっ!」

体勢がかなりきつくなったが、男は容赦無く突き上げてくる。


今自分を支えているのは、両の手と膝裏を持ち上げている男の手。

「あ…っ!やっ…!」

腕が段々と痺れてきて、ガクガクと震え始めた。

「…ちっ」

男の舌打ちが聞こえる。

「!?」

と、不意に腰を抱えられて、男の方へと引き寄せられた。

「はっ…!」

自然と、男の首へと腕が回る。すると男は腰を掴んでいた手を臀部に移動させ、わし掴んできた。

パンッ!

「…あぁ!」

そのまま、再度突き上げられる。

今度は支えが無いので、男に抱きつく、というより、しがみつく形になった。

「!あっ…んン!」

自分の中にある男のソレが、急に質量を増し、胎内を圧迫する。

「あっ!あん!イヤ…ッ!」

さっきよりも更に深い所まで突かれて、息が苦しくなってきた。

「…?」

何度目か突かれた時、苦痛しか感じていなかった身体が、何か別の感覚を捉えた。

「あ…、うぅン…」

声に艶が混ざる。

グッ!

その途端、男は腰の動きを早めた。

「あっあ…あん!あっ!あっ!ひうっ!」

男のソレが、胎内のある部分を擦ったとき、膣内(なか)から脳天まで一気に快楽が駆け上がった。

「あっ…!あぅ!」

『…もっと…』

もう一度擦られたくて、腰を動かす。

「はっ…、自分で腰を振ってやがる…。やっと気持ち良くなったか?ん?」

男の首にしがみ付いているので、表情は見えないが、声色は明らかに嘲っていた。

「あ、あ…」

だが今は、羞恥より快楽の方が強い。

ジュプ!ヌプ!

教室中に、自分と男の出す水音が響く。

「あっ!あっ!あぁ!あっ…くぅん!」

「うっ…、すっげぇ締め付け…。イキそうか?」

そう言い、腰の律動を更に早めた。

「あっ!あぁ!あん!あっ!あっ!」

めまぐるしく、快楽が身体中を駆け回る。

「おら、イくぞ!」

男も限界なのか、荒い息を吐きながら、一気に突き上げてくる。

「はぁっ…。!」

意識が飛びかけたその時、思い出した。

『そうだ、ゴム着けてない!』

「ダメ!膣内(なか)には出さな…!ひゃあぁん!!」

結局最後まで言えず、最奥に男の精を注ぎ込まれた。

「あ…あ…。」

精を放たれた途端、疲労と脱力感に襲われる。そして徐々に意識が遠退いてゆく。

『妊娠、したらどうしよう…。』

すると、思考を読み取ったのか男は笑いながら、

「ガキ出来たら、お前は一生俺のモンだな。」

と、絶望的な事を口にした。

意識が落ちる瞬間、無意識に口が言葉を綴った…。

「         」



男の一瞬強張った表情を見たのを最後に、意識を手放した。



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