五
だが、松寿丸は答えない。
すると、弥三郎は徐に、身に付けている張袴の紐を緩めて脱ぎ捨て、そして、松寿丸の片足を持ち上げ自分の肩に乗せた。
「あ…」
しとどになったソコに空気が触れ、少し冷たさを感じる。ふと見遣った先に、弥三郎の劣情の楔が見えた。
ソレはぬらぬらとしていて、弥三郎の幽玄的な見た目に対して凡そ似つかわしくないモノである。
ソコだけがいやに生々しく映り、松寿丸の目は怖いもの見たさか、釘付けになった。
凝視されている事に気付き、弥三郎は軽く笑みを洩らす。
そして…。
「ひっ…!うあぁっ…!」
一息に楔を、松寿丸の膣内(なか)へと打ち込んだ。
「あっさり、入りましたね…」
未だ誰の形も知らない松寿丸のソコは狭くきついものであったが、充分に濡らした効(かい)があり、すんなりと弥三郎を受け入れた。
「動きますよ…」
そう言って、ゆっくりと腰を揺らす。
「あッ…!う、うン!」
松寿丸の中は熱く、襞が弥三郎の陰茎を絡め取る様に吸い付いてくる。
「ふっ…、松寿丸さまの中、蕩(とろ)けてて凄く気持ち良い…」
「なっ、何を!はしたな…、あっ!」
反論しようとする松寿丸を押さえる為、弥三郎は腰の動きを急に早めた。
パンッパンッと、肉がぶつかる音と、水音が部屋中に鳴り広がる。
「あっ!あうっ…、やぁっ…ぬ…抜い…て…」
弥三郎の激しい突きに、理性の糸が焼ききれそうになり、松寿丸は懇願する様に訴えた。
「どうすれば抜いて貰えるか…んっ!解るでしょう?くっ…!」
弥三郎が言っているのは、散々問い掛けてきたあの事だ。
「ふっ…あっ!も、毛利…家は、弱小故…いつ、他家に…潰され…っ!る、か分から…ぬ」
耐えきれなくなったのか、松寿丸が荒れた息を混ぜ、途切れ途切れに言葉を紡ぐ。
「生き残…る為、には…っ!例え女であろう…と、使えるものは全て…使う、だけ…だっ!毛利の…駒として」
「…お可哀想に」
今の時代、女であれば、政略結婚の道具にされるのが常だが、そうならないのは、松寿丸が他の部分で優れているからであろう。
弥三郎からしたら、自然と出た同情の言葉であった。
「貴様の様に、恵まれた人間に何が分かる」
その言葉が気に障ったらしく、松寿丸が怒気を込めた声を出す。
しかし、見せた表情は…。
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